「ちょうちょう」とベートーヴェン

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「ちょうちょう」とベートーヴェン

2019/05/07 「ちょうちょう」とベートーヴェン

「ちょうちょう」の歌、ご存じですよね。そう、あの「♪ちょうちょう ちょうちょう 菜の葉にとまれ・・・」で始まる歌です。

 

私は長らく日本の童謡と思っていましたが、実はこの曲、「スペイン民謡」と紹介されたり、ほかにもアメリカ唱歌であるとか、そもそもはスコットランド発祥と書かれているものなど、諸説入り乱れておりました。そのためこの問題(?)を調べた人がいて、結果、ドイツの原曲という結論になったそうです。

 

どうして以前スペイン民謡とされたかというと、明治14年に当時の文部省が発行した「小学唱歌集」に、この曲を紹介した伊沢修二先生(明治時代の教育者・教育学者で、東京音楽学校や東京師範学校=現在の東京芸術大学や筑波大学=の校長を歴任)がスペイン民謡と説明したことが関係しているようです。この「小学唱歌集」は日本での西洋音楽の始まりとされ、「ほたる(の光)」も載っています(この曲はスコットランド民謡でしたね)。ちなみに「君が代」も、(なんと歌詞2番まで)掲載されています。

 

「ちょうちょう」はドイツで歌い継がれていくうちに全然違う歌詞になったようです。元来は「五月の歌」という、さわやかな季節をたたえる内容でしたが、現在知られているのは「小さなハンス」(Hanschen Klein)、ドイツでは音楽の教科書にも載っている非常にポピュラーな歌なのだそうです。

 

「小さなハンス」の歌詞は3番までありますが、要約すると、
1番で幼いハンスが村を出るのを母が見送り、

2番で7年の放浪を経てハンスはたくましく成長し、

3番で村に帰る。その際あまりの変わりように村人は誰もハンスだと気付かなかったが、母だけはすぐわかった

 

と、子どもに旅立ち=別れの悲しみや、成長するということ、そして再会の喜びを教えるという、まさに教科書向きの内容です。作詞者はヴィーデマンという、ドレスデンの教師とされています。

 

それが日本ではなぜ「ちょうちょう」になったかというと、これも伊沢修二先生が絡んでいるらしい。先生が国費留学生(西洋音楽を学ぶことも使命のひとつ)としてアメリカへ渡航された際に、メーソンという先生から、「五月の歌」に日本語で歌詞をつける宿題が出たそうです。「五月の歌」はドイツからアメリカに伝わり、英語の歌詞があったようです(これもボートを漕ぐという、全然別の歌詞だったとか)。

 

先生は悩んだあげく、もともと日本にあった「わらべ歌」の「ちょうちょう」をあてはめ、歌詞としたそうです。「ちょうちょう」は名古屋近郊で歌われていて(先生は一時期、愛知師範学校=現在の愛知教育大学=校長もされていました)、原曲は別に存在します。あてはめてみたら、実にぴったりだったということです。

 

なお、「小学唱歌集」発行後も、日本の「ちょうちょう」は地方によって様々な歌詞が存在し、中には別々の作詞家(一部は不詳)の手による4番までのものもあったそうですが、昭和22年にやはり文部省が発行した「一ねんせいのおんがく」では統一・改作されて2番以下は廃止、ほぼ現在知られている姿になったということです。複雑なのですね。

 

歌詞についてはこのように日本・ドイツとも変遷がありますが、曲についても、いつ誰が作曲したのか不明で、ドイツでは1807年(日本では江戸時代にあたる文化4年)に出版された記録があるそうですが、実際に曲が作られたのはさらに18世紀初頭より前とする説もあります。

 

タイトルにある「ちょうちょう」と「ベートーヴェン」、何か関係あるのだろうかと思われた方がいらっしゃるのではと思いますが、ベートーヴェンは1770年に生まれ1827年に没したので、そうなると、「ちょうちょう」の成立時期と重なるんです。

 

ご存じのとおりベートーヴェンは20歳代後半から耳の病気になりましたが(この原因についても諸説あり)、もし発症前からこの曲が存在していたとすると、ベートーヴェンが「ちょうちょう」のメロディーを耳にしたかもしれない、ということになります。

 

ベートーヴェンというとボサボサの髪で気難しい顔をしたイメージが強いかもしれませんが(この点、絵のモデルになる前に食した家政婦の不味い料理が原因という説もあります)、耳の発病前にピアノの名手としてウィーンで活躍していた頃は社交好きな青年で、香水を多用し(記録が残っています)、ダンスも嗜んだそうです(上手だったとの記録はないみたいです)。当時ドイツの田舎だったボンから大都会ウィーンに出てきたので、それは好奇心旺盛だったことでしょう。

 

ベートーヴェンには数多くの名曲がありますが、とりわけ有名な「交響曲第9番」の「歓喜の歌」のメロディーと、「ちょうちょう」は、私には何となく雰囲気が似ている感じがするのです。「歓喜の歌」をワーグナーが評したという「幼児のような純粋さ」は、「ちょうちょう」にもあてはまるように思えるのです。

 

これは全くの私見で、そのような説を主張している学者・研究者がいるのかは確認していません。(もしご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください)

 

ベートーヴェンは聴覚障害のほか、死因についても定説がない状態ですが、近年、毛髪から通常の100倍近い鉛が検出され、鉛中毒が関係している可能性が高まっているそうです(鉛中毒は聴覚にも悪影響とのこと)。以前読んだ本では汚染された川魚を原因と推測していましたが(ベートーヴェンは川魚が大好物だったそう)、定説ではないようです。

 

余談ですが、ベートーヴェンは会話帳で筆談し、おかげで(?)いろいろな記録が残されています。内容は多岐にわたりますが、お金に関する話題もかなり出てきます。たとえば次の演奏会を開くことでどれ位の収入が見込めるかとか(その見込みが外れて怒っている様子とか)、さらには食材の値段や節約の話も(今月のワイン代をいくら節約できたなど・・・当時のワインは甘味料に酢酸鉛を使用していたそうですが)。当然でしょうが、大作曲家にとっても経済面は大いなる関心事だったのですね。

 

このように、「ちょうちょう」も「ベートーヴェン」も謎に満ちています。同じように、身近にある何気ないことで、実はよく分かっていないこと、他にもありそうです。若い方もですが、特に同世代の中高年の皆さま、もろもろのことに積極的な関心を寄せること、疑ってみることは脳の活性化にも良さそうなので、いかがでしょうか。

今回は「大きなお世話」ですみませんでした。それでは。

 

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